まるちゃんがアラスカで出会った人物 ラナさん


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96年秋学期、英語のクラスのクラスメート。
ロシアのヤクーツクから来た。
薄い茶髪、おかっぱ、グリーンのようなブルーのような瞳。ロシア人っぽい、透き通ったような色の白さ。細身。
普段は眼鏡、何かあるときはコンタクトレンズ。
少し聞き取りにくい英語を話す。

ラナさんは、フェアバンクスの楽団でバイオリンを演奏している。
96年11月に上演された「屋根の上のバイオリン弾き」では、タイトルロールで初出演。きれいな音色だった。
舞台では、周りの人に顔が見えるようにシルクハットを浅めにかぶれと言われたが、本来目深くかぶるものだし、恥ずかしかったので顔が隠れるようにかぶった。

ヤクーツクのことを説明した写真入ガイドブックに、バレエのオーケストラとして、バイオリンを演奏中のラナさんが写っている。
ピアノも練習している。
オーケストラ仲間の一人に英会話を教えてもらっている。

旦那さんのブルースさんはアメリカ人だが、ヤクーツクに旅行中、ラナさんと出会い、合計3回会いに来て、結婚した。
とても仲が良さそう。

96年12月22日にラナさん宅で開かれた、バースディ&クリスマスパーティに招待された。
ダンスが好きらしく、音楽をかけて踊り狂っていた。
カラオケも始まり、ラナさんは古い日本の歌謡曲「わーすれられないのお〜」というやつを、あやしい日本語で歌っていた。

家は2階建ての一軒家で、玄関にいきなり洗濯機、右手奧はベッドルームで深紅のベッドカバーがかかり、いくつもの銃がある。
左手奧がリビングキッチン。
廊下には友達が描いてくれたという、ラナさんの大きな肖像画がかかっている。

リビングにはクリスマスツリー、その下には、クリスマスカード。私が送ったカードもあった。クリスマス&バースデープレゼントも置かれている。
電気の配線はブルースさんがして、後の飾りつけはすべてラナさん。

壁にはエジプトで買ったパピルスの額、床にはエジプトで買った絨毯、窓際には金色でピラミッド壁画が彫られたピラミッド型の重鎮3つ。友達がエジプトにいるそうだ。

バースデー料理は、ポテトとハムのサラダ、赤いロシアンサラダ、ミートローフ、チャイニーズ揚げ麺サラダ、チョコレート・スポンジケーキなどを、1日がかりで作ったらしい。

乾杯では、私は生まれて初めてウォッカを飲んだ。
ビールとは全然違い、口に近づけるとアルコールが鼻につんときて、ぺロッとなめただけでガソリンを注がれたような衝撃だった。
みんな笑っていた。

ハスキー犬ぐらいの大きな黄土色のメス犬を飼っている。大勢の来客に興奮して走り回っていた。

来学期は美術のクラスを取るつもりらしい。

まだ5歳か6歳のころ、絵がうまかったので、プロの人が見に来たが、才能がないといわれたので音楽の方に進んだらしい。
が、ブルースさんの実家に行った時、家族の顔をさらさらとスケッチして見せて、みんなを驚かせた。
その時のスケッチは白黒だがそっくりで、特徴をよく捕らえてある。
ブルースの弟さんは王様のような人だったので、王冠を付け足したり、ブルースのお父さんにエスキモーのパーカーを付け足したり、茶目っ気のある大真面目なスケッチだった。

もう亡くなったロシアの有名な詩人をスケッチして切り絵のようにして額に入れたものは、本物の写真と比べてみると、ラナさん作の方が本物っぽかった。
色鉛筆を使って描いた、「雲と友達になりたがった子供」という題名の絵本原稿のようなものや、プロのアーティストが描いた、電気もお湯もないアパートの取り壊し前の様子なども見せてくれた。


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